造型機  Dimention768




ミネソタのストラタシス社のFDM熱溶融積層造型法を使って造型する装置を導入しました。
以前からデスクトップワークスの提唱者と言う訳ではないが 小型3軸NCや卓上旋盤等の工作機械を導入してきた。
しかし会社がマンションの一室と言う不利な立地の為大っぴらに切削が出来ないのも事実であり、大型機や音の大きな機器は控えざる得なかった。
他住民に目を付けられたら追い出される可能性も無くは無い。

実体化ツールは、既にローランドPNC3200があるのだが色々な要因が重なりABSが使えるこの機械に落ち着きました。
デザインの仕事CADの仕事、共に自身がオペレートしてないと何も進まなく、NETの仲間達のように夜間無人作業が出来る物が羨ましくてしょうがなかった。
又、大量の種類違いのパーツを作成するのにも向いていると言うのが導入理由。
春にほしくなり、じっくり検討してやっと秋に入った。


基本構造は右図の様に加圧の無いインジェクション+3軸NCと言うイメージで動きも、そのような動きをする。
光造型と違い液面が無く重力に影響されない為地震等も関係無いし、後処理のポストキュアとかも必要も無い。
しかしサポートの除去作業はある。
まさにメンドクサがりな自分向きの機械のようだ。

Z軸上を下に移動するABSのファウンデーションと呼ばれる捨て板をステージ上にSETし、最初ABS材1層分接着用で出す。上に壊し安いアクリルで出来たサポート材を塗布してその上に対象物を作り始める。溶融ヒーターヘッドはXYスレージはZ方向に動く。
材料とサポート材は機械下のカセットに釣糸よろしくカートリッジに巻いて収納されている。

左のカートリッジはABSモデル材とサポート材の2種類を装着する。

最初は、慣れる為簡単な物を作って見る。
医療機の枠を作って見た。
まずはPro/Eでモデリング取り立てて難しい形状でもないが一体物切削で作成すれば中身全部削らないといけない物だ。

内側4面1mmの段差があるし、外はディンプルと傾斜ミゾあり。削りだとメンドウなんで4面は出来てから手動フライスでやっちゃうかなぁ?と言う代物

客先でも数出ないから製作に困ってた。


これをPro/E上でポリゴンで出来ているSTL形式にして保存します。未だ試さなくてはいけないのだがPro/E上でポリゴンの大きさの設定をするようになっていて、今は細かくしているが造型に繁栄される物なのか試してはいない。

造型用のCATALYST EX と言う自動サポートと造型ヘッド移動ツールパス作成ソフトにに送ります。

今回はサポートの付き方を少なくする為フルR部分をステージ面にセットしました。サポートは造型中の変形を防ぐ為に必須なのですが、少なければそれだけ除去時間も短縮出来るしサポート材料代も軽減される訳です。横のエンボスには下からサポートが付いているのが判る。

ファウンデーションのこの部分に造型すると言う位置の表示画面です。
小さい物であれば並べて複数個同時造型が出来ます。造型機にはNETで繋がっていますのでデータを転送します。造型機自身もHDDを持っていますのでその中に送り込んだらPC自体シャットダウンしても、造型機側は動作します。


ステータスでこんな感じで材料とサポート材の使用量と造型時間が表示され、終了予想時間も表示される。 この時点でスタートボタンを押して帰ってしまっても構わない。
この際は造型時間2h51s終了は20:30と言う表示。
後は機内が暖まって自動で造型が始まる。終われば省エネモードになり待機となる。



履歴が出てきますので今後の造型物の大体の使用量が推測出きる様になります。
まぁ当然と言えば当然なんですが材料使用量と造型時間は比例しないのですねぇー

造型機のスタートボタンを押しますがヘッドや庫内温度が上がらないとスタートしません。ENV75度位にならないと造型したものが急冷して歪むのを防止しています。ヘッドも200度以上にならないと動作しません。でかいオーブンみたいです。いわゆるホットキュアしてるんでしょう。又、温度を上げ前回の残りの材料を溶かしノズルを開通しなくてはなりません。
このため機械本体はかなり熱く冬は重宝しそうですが夏の事考えると頭痛いです。

1 最初ABSで固定材を作る 2 真ん中はいらないのに勝手に作る
3 サポート材を全面に付ける 4 造型開始同時にサポートも作って行く
5 造型終了するとステージが下がる 6 ファウンデーションにくっついた試作品
7 剥がすと固定用ABSだけ残る 8 ブレークアウトします
9 穴に入ったサポート材を取ります。 これ位はツメで直ぐ取れました。




Dimention768 の動作中動画
熱溶融積層の特性上0.254mmのフィラーの積重ねなのでどうしても強度に不満がある。
そこで、当初はABSの接着剤のブタノン等を含浸させていたが、硬化時に曲がったり溶けたりする
ので、封孔処理材と言う物を含浸させ、ABS切削と同様程度の強度が出せるようになりました。
これによりデザイン検討やスナップフィット検討ばかりではなく、可動試作迄も可能になりました。

   
  
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